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「自伐型林業」ってなに?―林業の可能性をよく学び、よく考えるための講演会―

 みなさんは、タイトルにある「自伐型林業」をご存知でしょうか?
 「自伐型林業」とは、林業従事者が、自ら森林を管理し、小規模な伐採によって、継続的な森林を目指すもので、環境保全と複合的な経営を高い次元で両立するできることが最大の利点です。新規参入する際のハードルが非常に低いため、中山間地域で生活していくうえでの有効な手段として、とても注目されています。
 令和5年9月28日(木)、本校本校舎において、農業を学ぶ51名の生徒を対象に、「自伐型林業」をテーマにした講演会を開催しました。
 講師を務めていただいたのは、NPO法人自伐型林業推進協会代表理事の中嶋健造氏で、高知県から遠路ご来校いただきました。

 講演は、日本の林業が抱える課題を明確にし、その解決策の一つとして、自伐型林業の有用性を証明するものでしたが、中島氏の実践を中心に、実際の動画やアニメーションなどをまじえながら、とても分かりやすくお話いただいたため、90分があっという間に過ぎてしまいました。
 会の最後には、質疑応答の時間を設けていただき、生徒からの「農業と林業の両立は可能か?」という質問に対しては、北海道でジャガイモを生産する農家の方を例に挙げ、「リスクを分散させるためにも、(農業と林業を)両立させるべくだ。」というご回答がありました。
 日ごろ、農業を学んでいても、林業については知らないことが多いため、木材の生産だけでなく、近年、激甚化、頻発化している自然災害などとも結びつけながら、林業のあり方やその可能性について考えることができた今回の講演会は、多くの生徒たちが新鮮な感動を覚えるものとなったようです。
 本校が、福島県教育委員会の「令和5年度県立学校における森林環境学習推進事業」に参画して、令和5年7月25日(火)の「ツリーイング体験」(令和5年8月3日公開「五感で感じる木の魅力」をご覧ください。)、令和5年8月4日(金)の「只見ユネスコエコパークにおける研修」(令和5年9月20日公開「只見ユネスコエコパークの大自然に抱かれて」をご覧ください。)と取り組んできた活動も、今回の講演会を以て、メインとなるものが終了しました。
 今後は、本事業で学んだ知識や技術をいかしながら、農業科の授業や実習、総合的な探究の時間などを活用した地域課題探究活動に取り組んでいくことになりますが、それを通して、自然豊かな南会津だからこそできる、“サスティナブルな生き方”に興味・関心を持つ生徒が増えていくことを期待します。

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