只見ユネスコエコパークの大自然に抱かれて
令和5年8月4日(金)、「五感で感じる木の魅力」(令和5年8月3日公開)で予告したとおり、環境科学のコースの2年生18名が、ユネスコエコパークに登録されている南会津郡只見町を訪問し、自然体験学習に取り組みました。
最初に訪れたのが、「恵みの森」で、ブナの森を流れる川を遡上しました。なお、「恵みの森」は、誰でも利用することができます。
「恵みの森」では、先生の説明を聞きながら、積雪地帯の極相林であるブナの森を観察し、豊かな水を育む樹木と土壌の関係を学ぶとともに、そこに生きる動物の痕跡から、森の豊かさを考えました。
森の中を流れる大滝沢は、4Km以上に及ぶ一枚岩の河床が続く、大変珍しいものです。
この一枚は、森が生み出す美しい水を、全身で堪能しているところです。はじめは、戸惑いながらでしたが、次第に、歓声が森に響き渡りました。ただし、着替えの準備を忘れた生徒は、後悔していました。
次に訪れたのが、「田子倉ダム」です。
田子倉ダムは、日本最大級の貯水量を誇るコンクリート重力式ダムであり、豪雪と急峻な地形が再生可能なエネルギーを生み出します。
只見川水系には、多くの水力発電所がありますが、その豊富な水流を用いて、生み出した電気が、戦後の復興と高度経済成長を支え、現在も活躍していることを知りました。
最後に、「ブナと川のミュージアム」を見学しました。
館内では、学芸員の方に、只見の自然の特色と、そこの暮らしついて、分かりやすく教えていただきました。
ブナを主体とした森林と水の関係については、午前中の自然体験でも学びましたが、只見町には他にも貴重なユビソヤナギやモザイク植生といった特徴的な自然景観があることを知りました。
豪雪は、デメリットに目が行きがちですが、その恩恵について考える機会となりました。
本校がある南会津町にも豊かな自然環境が残されており、只見町とは異なる文化を形成しています。今回の研修を通して、感じたことや学んだことを整理して、自分自身の将来、さらには、地域について考えていきます。